


前章で簡単な選択画面を作りましたが、移動できる方向は下方向のみでした。
上への移動が、下方向への移動の考え方を逆にしただけでは実現出来ないため、2つの章に分けました。
どういうことかと言うと
SelectNum = ( SelectNum + 1 ) % 5;
を計算することで、SelectNumに入る数値が 0→1→2→3→4→0→1→2→3→4→0(0→4のループ) とループさせることが出来ました。
それに対してこれを逆にしたいからと言って
SelectNum = ( SelectNum - 1 ) % 5;
を計算することで、SelectNumに入る数値が 0→4→3→2→1→0→4→3→2→1→0(4→0のループ) にはなりません。
SelectNum がマイナスになってしまうと、ループは 0→-1→-2→-3→-4→0→-1→-2→-3→-4→0 になってしまいます。
期待する動作は、
下キーが押された時は、0→1→2→3→4→0→1→2→3→4→0 とループ(0→4のループ)し、
上キーが押された時は、0→4→3→2→1→0→4→3→2→1→0 とループ(4→0のループ)する振る舞いです。
これを実現するには、SelectNum-1するのではなく、SelectNum+4するのです。
「?」と思う人もいるでしょうが、「割る数-1を足す」ことで見事に逆ループが計算出来るのです。
百聞は一見に如かず。 とりあえず計算してみましょう。
SelectNum = ( SelectNum + 4 ) % 5;
において
SelectNumが0の時は、(0+4) % 5 となり、計算結果 SelectNum は4になります。
SelectNumが4の時は、(4+4) % 5 となり、計算結果 SelectNum は3になります。
SelectNumが3の時は、(3+4) % 5 となり、計算結果 SelectNum は2になります。
SelectNumが2の時は、(2+4) % 5 となり、計算結果 SelectNum は1になります。
SelectNumが1の時は、(1+4) % 5 となり、計算結果 SelectNum は0になります。
SelectNumが0の時は、(0+4) % 5 となり、計算結果 SelectNum は4になります。
どうでしょう。見事に逆向きのループが計算出来ました。
このように、プラス方向へのループは
SelectNum = ( SelectNum + 1 ) % 5;
で計算出来
SelectNum = ( SelectNum + 4 ) % 5;
で計算できることが分かりました。
これを踏まえて前章のメニュー項目の選択状態を上下に適用してみましょう。
#include "DxLib.h"
int Key[256]; // キーが押されているフレーム数を格納する
// キーの入力状態を更新する
int gpUpdateKey(){
char tmpKey[256]; // 現在のキーの入力状態を格納する
GetHitKeyStateAll( tmpKey ); // 全てのキーの入力状態を得る
for( int i=0; i<256; i++ ){
if( tmpKey[i] != 0 ){ // i番のキーコードに対応するキーが押されていたら
Key[i]++; // 加算
} else { // 押されていなければ
Key[i] = 0; // 0にする
}
}
return 0;
}
// メニュー項目の表示に必要な構造体を用意する
typedef struct{
int x, y; // 座標格納用変数
char name[128]; // 項目名格納用変数
} MenuElement_t ;
int WINAPI WinMain(HINSTANCE,HINSTANCE,LPSTR,int){
ChangeWindowMode(TRUE), DxLib_Init(), SetDrawScreen( DX_SCREEN_BACK ); //ウィンドウモード変更と初期化と裏画面設定
// メニュー項目要素を5つ作る
MenuElement_t MenuElement[5]={
{ 80, 100, "ゲームスタート" }, // タグの中身の順番で格納される。xに80が、yに100が、nameに"ゲームスタート"が
{ 100, 150, "おまけ" },
{ 100, 200, "ヘルプ" },
{ 100, 250, "コンフィグ" },
{ 100, 300, "ゲーム終了" },
};
int SelectNum = 0; // 現在の選択番号
// while(裏画面を表画面に反映, メッセージ処理, 画面クリア, キー更新)
while( ScreenFlip()==0 && ProcessMessage()==0 && ClearDrawScreen()==0 && gpUpdateKey()==0 ){
// 計算フェーズ
if( Key[ KEY_INPUT_DOWN ] == 1 ){ // 下キーが押された瞬間だけ処理
SelectNum = ( SelectNum + 1 ) % 5; // 現在の選択項目を一つ下にずらす(ループする)
}
if( Key[ KEY_INPUT_UP ] == 1 ){ // 上キーが押された瞬間だけ処理
SelectNum = ( SelectNum + 4 ) % 5; // 現在の選択項目を一つ上にずらす(逆ループする)
}
if( Key[ KEY_INPUT_DOWN ] == 1 || Key[ KEY_INPUT_UP ] == 1 ){ // 下キーか、上キーが押された瞬間
for( int i=0; i<5; i++ ){ // メニュー項目数である5個ループ処理
if( i == SelectNum ){ // 今処理しているのが、選択番号と同じ要素なら
MenuElement[i].x = 80; // 座標を80にする
} else { // 今処理しているのが、選択番号以外なら
MenuElement[i].x = 100;// 座標を100にする
}
}
}
// 描画フェーズ
for( int i=0; i<5; i++ ){ // メニュー項目を描画
DrawFormatString( MenuElement[i].x, MenuElement[i].y, GetColor(255,255,255), MenuElement[i].name );
}
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}

このように「割った余り」という考え方はゲームプログラムで重宝するので是非覚えておいて下さい。
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