うっす。俺は天使だ。職業は恋のキューピットをやっている。だがこの仕事、相当きつい。
恋の手助けをするのが主な仕事だが、いちいち人間界に降りなければならない。
正直嫌になるぜ。だが、仕事をサボっていたら、天使と言えど食っていけなくなるので、真面目に働いている。
「次の仕事はこれか」依頼書を見つめ俺は呟く。そこには今回のターゲットのデータと難易度が書かれている。

中田研也　16才　ルックス中の下
同じクラスの志穂に片思い中　難易度Ａ

　「ん？俺のレベルだと難易度Ｃ辺りが限界なんだがな」
まだ、キューピットを始めて日の浅い俺には少し無謀な依頼だが、引き受けた仕事は全力でこなす。それが俺のポリシーだ。
人間界に降りるとき、天使の格好だとバレバレなので、なんらかの変装をする。
俺たちキューピットは、ターゲットに近づきやすくするために、ターゲットの親しい友人の体を一時的に乗っ取る者が多い。

スキル【憑依】発動
「でさぁ、まじ可愛いんだよ・・・っておい、大丈夫か？」
　憑依の欠点は、体を乗っ取るまでにタイムラグが生じ、数秒ふらついてしまうことだ。
　「あー、大丈夫だ」
　「そう、良かった」どうやらこいつが研也のようだ。
さて、さっそく仕事にかかるとし・・・
「おい、大変だ。隣のK高の奴らが攻めてくるぞ！」クラスの誰かが叫んだ。
え、なにそれ、依頼書に載ってなかったんだけど。
俺と研也は2階の窓から外を見ると、バイクに跨った怖そうな人達が、これまた怖そうな武器持ってスタンバイしてらっしゃる。
「研也、ぁあんなのほっといてパ、パ、パン販行こうぜっ」びびる天使
「おい、あれ、志穂だ！」動じない研也。それよりも、え、志穂って・・・。
あらまー、不良の一人にがっちり抑えられてるよ。
「助けに行ってくる」そして研也は走り出した。ん、これは研也に、もしもがあったら依頼どころじゃないよな。
・・・俺も行かないと駄目かな？神さんよ。

階段を駆け下り、玄関を抜けると、既に不良と臨戦状態の研也の背中が。
「志穂を返せっ」
「いいぞ。俺達を倒せたらな」
そして、相手の一人が研也を殴り飛ばした。
「大丈夫か、研也！」研也に近づく
「邪魔だ、まだ俺の仕事は終わってない」
こいつ・・・俺と気が合いそうだ。
「ちょっと待て」俺はそう言い、研也の肩に手を置く。

スキル【天使の涙】発動
研也の傷が癒えていく。

スキル【神の怒り】発動
　赤く光り輝くオーラが研也から発せられる。
俺が昔、天空警備隊をやっていた時に覚えたスキルだ。本当は俺自身が戦いたいが、原則として人間を傷つけたらいけないからな。

～～研也視点～～
急に力が溢れてくる。なんだ、この感覚は。
殴りたい・・・あいつらを殴りたい。
足を踏み出すと、一瞬で間合いが詰まる。いきなり目の前に現れびくついている敵に、俺はその勢いのまま右拳を突き出す。
拳が鳩尾に当たると同時に、赤いオーラがさらに光り輝く。
「ぐはっ・・」敵はそのまま静かに倒れた。
「次は貴様だ」
力を押さえられない。はやく終わらせないと。
相手は持っている金属バットで頭を狙ってきた。バックステップでかわし、両手を相手にかざす。

奥義【烈火疾風】発動
赤いオーラが巨大な竜巻を形成する。
「さて、少し眠ってもらおうか」
竜巻が相手を飲み込む。その中から、暴風に交じり、おぞましい叫び声が聞こえてくる。
やがて竜巻が消え、志穂が遠くで震えているのを確認すると、不意に体中の力が抜けていく。


それから、時は流れ・・・

「まぁ、さすがにあの直後に告白したら引くよな・・・」
結局、依頼は失敗した。フラれた研也のあの顔は忘れられない。俺の給料ががっつり下げられたことも忘れられない。
懐かしいあの時を思い出しながら、新しい依頼書に目を通す。
・・・へへっ、これは楽な依頼が来たぞ。
なんとか今年もハワイで休暇がとれそうだ。ギターもそろそろ買い換えたいな。

井上志穂18才　ルックス上の中
同じクラスの研也に片思い中　難易度E

「さて、さっそく行きますか」

短編小説です。恋愛アクションファンタジーです。
30分、ネタを考え（主に研也と）、二時間ほどで書き上げました

最初は、恋のライバルと戦うだとか考えましたが、書いてる中でしっくりくる考えが来ました

プログラマーが集まるこの掲示板で、まさか短編小説をみることができるとは思いませんでした。
いい感じに読ませていただきました。
もしかして定期的に書くのでしょうか？でもネタ考えるのしんどくない？　笑
個人的には次のを楽しみにしてます。

なるほどｗ　たしかに　恋愛　アクション　ファンタジー　全部揃ってますねｗｗ
で、これをどんな風にゲームにしてゆくんです？
基本3Dで所々セリフが挟み込まれる感じですか？

うちの学校の図書局のイベントに応募した作品で、あんまりゲームには関係なかったり（笑）
ちなみに、リアル研也はこんなに格好良くありません。

でも、ゲームのストーリーを、こうやって小説にしてまとめてみるってのも面白いかも、と思いました