力学の入門 : 3 「微分と積分(1)」

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GRAM
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力学の入門 : 3 「微分と積分(1)」

投稿記事 by GRAM » 13年前

予告通り、微分積分の話をします。 取りあえず微分の説明をしようと思います。
とはいってもこの辺話し始めると終わらないので、代表的な話を取り上げて、
他の細かい話は出て来るたびに触れる感じで行きたいと思います。

[ 1 ] 微分

微分についてのさわりの話はもうしました。
というのも、速度の一番最初の話で、
速度とはs-tグラフの傾きである」ということに触れたと思います。

微分とはまさに関数の任意の座標の接線の傾きを求める作業に他ならないのです
加速度公式.png
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さて、今一番最初の公式は、前回の平均加速度を導出する公式でした。
加速度とは、「この微小な時間⊿tを0に近づけていったときの平均加速度」ということができました。
その様子を表したのが2つ目の式です。
⊿t            → 0        ⇒     ⊿v / ⊿t = dv /dt
(時間の変化量を)  (0に近づけた) (ならば)  (⊿v/⊿tはv-tグラフでその時間の接線の傾きと一緒になるよ)
・・・という意味です。


ここで、dv / dt を求めること。 すなわちv-tグラフの任意の時刻の接線の傾きを求めることを
「v を tで微分する」 といいます。

第3式ですが、この値は加速度aと等しくなります。これは「加速度がv-tグラフの接線の傾きだ」という事実から明らかですね。
もっとも本来「加速度aは速度vを時間tで微分したものである」というのが加速度の定義だったりします。

またdv / dt は 本来( d / dt )*vのことで、tで微分するなら、前に d/ dtを、 適当な変数xで微分するなら d / dxを前にかければ「微分してるんだよ!」とアピールできます。

さて、微分のイメージ自体は接線の傾きを求める作業として差し支えないのですが、もちろん求める公式のようなものがあります。

y が xの関数であることを y = f(x)と書きます。(y = xならf(x) = x, y = x^2なら f(x) = x^2)
このとき、yをxで微分してみましょう。
つまりdy / dx を求めればいいわけです。
微分することは見かけ上 d / dx  を掛けることにできて、当然等号を成り立たせるよう両辺にd / dxを掛けると
微分.png
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はい。第1式の (d / dx )* f(x) を求める方法は次の括弧内の公式です。
難しいように見えますが、⊿xを0に近づけることをlim(⊿x⇒0)と書いているだけで、あとは特に変わっていません。

f(x)とはあるx座標に対応するy座標、 f(x+⊿x)とはその座標のすぐ隣のグラフ上の点のy座標で、
後は
yの増加量 / xの増加量 ・・・という中学校2年の公式で傾きを求めています。
最後は⊿xをhに書き直した式です。 ⊿xのほうがわかりやすいのですが教科書によく載っているのはこっちです。

exのところでは 速度v が βt^2であらわされているときの、 加速度を求めています。(ベータはどんな数でもok)
一番最後にhが残っていますが、0に近づけると消えてなくなってしまうので、最終的に
dv / dt = 2βtとなります。
これはたとえばβ = 1なら、
1秒後の加速度は2 ,
2秒後の加速度は4,
5秒後の加速度は10
・・・という結果を示しています。

次のプログラムは グラフ上の任意の座標の接線を求めています。
傾き( k )と座標(x0, y0)が定まっているとき、その直線の方程式は
y - y0 = k ( x - x0)
で求まります。
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放物線.png
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次は積分です
To be Continued...
最後に編集したユーザー GRAM on 2012年7月30日(月) 10:41 [ 編集 2 回目 ]

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